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作曲家ベートーヴェンに対する評論は多数ありますが、この度は偉大なる音楽家の評論を紹介して、ベートーヴェンの偉大さを深める一助となれば幸いです。
茲に言う偉大なる音楽家とは、アルトゥーロ・トスカニーニ(1867-1957)です。もう彼を知る人は段々少なくなっていると思いますが、トスカニーニは近代指揮者中、第一位の巨星的存在、古今の名曲と名歌劇150曲を暗譜で指揮したと言われています。1867年イタリヤのパレルモに生まれ、19才で「アイーダ」を指揮してから指揮者の世界に入った。1937年、世界中の優秀な演奏家を選んで組織したNBC交響楽団が生まれると、その指揮者となり、放送にレコードに偉大な業績を挙げたが、1954年、高齢のためステージを引退、57年1月16日世界の痛惜のうちにニューヨークで亡くなった。
指揮に当っては、あくまで原曲を忠実に表現することを終生のモットーとした。
彼の指揮は歯切れがよく、私が中学時代、彼の指揮するNBC交響楽団演奏の「運命」が好きで、一番よく聞いたものです。当時有名だったフルトヴェングラーの指揮とは全く対照的で、好き嫌いが二分されていたように思います。
   
今年2月16日、NHK・BSのクラシックドキュメンタリーで「トスカニーニとの会話」が放映されました。
これは彼の晩年、87才の12月31日に彼の息子が密かに撮ったムービーです。この日は息子、娘、元秘書、友人ら極く親しい4-5人のホームパーティで、トスカニーニを中心に思出話に花が咲いたような雰囲気の内容です。

この中で友人の一人が「マエストロの一番好きな作曲家は誰ですか」と尋ねました。
それにたいしてトスカニーニは、次のように答えています。

オペラならベルデイとワグナーだが、それに他の総てにおいて最も偉大な作曲家はベートーヴェンだ。
彼は耳が聞こえない状態で、数々の名曲を生み出した。何て素晴らしいことだろう。第九シンフォニーの第3楽章のことを思う時、言葉では言い表せない感動だ。
遙か彼方に眩しい光と見事な色と形をしたものが見えた。指揮をしていると、音楽が天から降って来るように感じたものだ。音楽が私を地面から持ち上げ、重力から解き放ってくれた無重力の世界だった。
ベートーヴェンこそ男の中の男であり、天才であり、聖人だった。勇敢にも何も聞こえないまま、命の限り曲を書き続けた。
ローマ法王は誰が聖人と呼ばれるべきか全く理解していない。聖職者達は何も解っていない。 もし耳が聞こえなかったら、私なら己の不幸を嘆き続けただろう。
「レクイエム」はモーツァルトよりベルディの方が好きだ。だがベートーヴェンの「荘厳ミサ」は別格だ。 
ベートーヴェンは次元が違う。私にとってベートーヴェンはモンブランの頂のような存在だ。総ての上に出ている。
  
以上がトスカニーニの「第九」を含むベートーヴェン観です。
鋭い洞察力と卓越した思想家でもあるトスカニーニをして斯く言わしめたベートーヴェンの偉大さを更めて心に感じた次第です。
バス 福間信彦
テーマ:音楽
ジャンル:音楽
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